ドヴォルザークの交響曲第4番(コシュラー/スロバキア・フィル)との再会(第3版)
突然、このブログで初の、クラシックの「特定の」CDの紹介記事です。
クラシックで輸入盤中心に所有CD1000枚以上、中学時代からの30年以上のクラシックファン、かつては本部サイトで、シューマン専門の「ロベルトの部屋」やっていたくらいですから、これまでこのブログで、時々、その「片鱗しか」見せていなかったのが不思議なくらいです。
*****
その理由は、
1.一度はじめると止まらなくなり泥沼にはまることを恐れていたから
.......私が、およそ何に関しても、ある種の「強迫的完全主義者」であることは、このブログの継続的読者をしておられる皆様ならおわかりでしょう(^^;)
だから、好きなことをはじめてしまうということは、その対象に「憑依」され、「奴隷」となり、
自分の中のフェルトセンスの要求水準に応えるために、
「歓喜にうち震えつつ、こき使われる」
という、「あの」、マゾ的な悦楽の園に幽閉されてしまうと思うと、すごく自分で億劫(おっくう)になるのです。
*****
2.iPodと拮抗する、私が満足するピュアオーディオの再生装置のセッティングをしていなかったから。
セッティングをするのがおっくうだった理由は、結局、「1.」に戻ってしまうんですけど(^^;)
その設定の問題(接続ケーブルや電源のテーブルタップやインシュレーターの吟味etc.)をシンプルにしたいからこそ、オールインワンの
LINNのCLASSIKに、以前から持っていた
タンノイのスターリングHWをつなぐという超割り切りにしたはずでしたが。
ちなみに、結局私は、前の記事で書いた、iPodからの「最短直接LINE入力」で聴くことが多いです。
つまり、
私のピュアオーディオ=LINNとTANNOYでのiPod Audio
という,過激な取り合わせです。
iPodを使っておられる方はご存じのように、曲の途中でトラックが変わると音切れするので、
ベートーヴェンの「運命」のフィナーレへのアタッカとか、
R=シュトラウスの交響詩とかで悲惨なことになるのはわかっていますが、
AppleのロスレスでCDからコピーすると、CDプレーヤーの読み取りのサーボが音を汚す側面がなくなり、
いわゆる「デジタル臭さ」が皆無になる
ので、驚くほどバランスのいい音になります。これで
浜崎あゆみの新しいアルバム(といいつつ、6月発売の「次回新作マキシ」にリンク)
と
ストーンズとクラシックの新旧の録音がみんな不満なく聴けてしまいます。CDを取り替える手間もなくなりますし。
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さて、私に、今回、
「クラシック音楽全般における、私の無茶苦茶好きなCDの紹介シリーズ」
という、その、
「好き」ゆえにはじめるのが「おっくう」を越える
「禁断の扉」を開かせたのは、
昨日大船の街に出た時(といっても自宅から歩いて5分ですが)、全くの偶然で、私が20年以上探していたCDに出会ってしまったからであります!!
ドヴォルザーク/交響曲第4番ニ短調Op.13
ズデニエック・コシュラー/スロバキア・フィルハーモニー
(BRTLLIANT CLASSIKS 99565)
******
確かまだ大学に入った頃、FMで聴いて気に入り、3番から5番まで収録のLP2枚組のをすぐに買って愛聴していたのですが、Opus(オーパス)というマイナーなレーベルから出ていたこと(日本での発売元はビクター)、そしてその後ソ連崩壊、東ヨーロッパの社会主義政権崩壊、更にチェコとスロバキアの分離という時代の波をかぶったせいか、いろいろ調べてもCD化された形跡がないままで、すっかり諦めていたのです。
それが昨日、電球を買いに行ったついでに立ち寄った新星堂のクラシックコーナーで目の前に「交響曲全集」、7枚組なのに激安で並んでいたのに遭遇した時には狂喜乱舞したのでした
ただ、なぜか8番はメニューヒン、9番はヤルヴィの指揮でロイヤル・フィルです。
*****
先にこのメジャーな2曲を紹介すると、
メニューヒンの「8番」「弦楽セレナード」は、さすが往年の名バイオリニストだけあって、特に弦楽器の細やかな歌わせ方への行き届いた統率力があり、弾けるようにリズミック。
「8番」は、私の場合、後に紹介するカラヤン/ヴィーン・フィルのDeccaによる旧盤のスリリングな演奏が絶対的に好きだったのですが、やや録音の古さとマスターテープそのものの音質劣化が気になっていたところ、このメニューヒン盤は、ほぼ同じスタイルなのに、クリアーなデジタル録音、上品で,ホールトーン豊かだけど混濁皆無の臨場感あふれるもので、今後カラヤン盤の代理をつとめてもらえそうで、これもまた掘り出し物。
ヤルヴィの「9番」は、録音はメニューヒンの8番と同傾向の、きわめて上質で美しいもので、演奏の完成度も高いのですが、曲の解釈がやや演出過剰とも思えます。第1楽章の導入部のティンパニや、第2主題のあとの、「あの」フルート・ソロにはじまる経過句(第3主題)とか、ここまでやるのという気もしますが(後者の経過句を全く自然に、ぶっきら棒にも意味深にもなりすぎずに演奏するのはなかなかたいへんでしょうが)、もしこれと同じ演奏が一発勝負のライブで聴けたら感動するかもしれない。
余白の、私が大好きな序曲「謝肉祭」(これに関してはこれまた後で紹介してるライナーの演奏が完璧!!)は中の上くらいの演奏だし、最後の「スケルツォ・カプリオーソ」は、「この曲を見直させてくれた域の、いい演奏です。「スラブ舞曲」アンソロジーみたいな曲というとわかりやすいかも。
(スラブ舞曲集は、クーベリック/バイエルン放送響盤が、やや荒っぽい演奏かもしれないけどノリは最高。
*****
さて、今回のメインテーマの、コシュラー指揮による第4番。
ドヴォルサークの第4交響曲、といって、すぐにメロディが浮かぶ人は限られているでしょう。しかし、私はこの曲、しかもコシュラーのこの演奏が、でたらめに好きなのです。
この曲、解説では、
「ブラームスの影響の元、ドイツの交響曲を手本に作られた曲で、ドヴォルザークとしては民族色が薄い」
などとあしらわれていることも少なくないのですが、
何の何の、
第8番と、
第9番「新世界から」を別格にすれば、
みずみずしく流麗そのもののメロディ、
(第4楽章の第2主題なんて、メロディの美しいドヴォルザークの作品のなかでも私が大好きなものの一つです)
構成的な見通しのよさ、
そしてヒロイックな盛り上がり
という点で、むしろドヴォルザークの初期交響曲の中では魅力的な隠れた名曲と断言したいですね。
少なくとも、交響曲第8番や、
スメタナの交響詩「我が祖国」全曲を好きな人なら結構気に入る筈です。
*****
この第4交響曲、私はすでに
クーベリック/ベルリン・フィル盤と
ノイマン・チェコ・フィルの新盤を持っていまして、どちらも水準以上の演奏とは思いますが、
この曲を盛り上がる曲として過剰に演出しようとするあまり、逆にこの曲本来のみずみずしいヒロイズムを損なっている気がします。
コシュラーの演奏は、テンポを恣意的にいじること皆無で、アナログ最末期の録音も流麗。CD化の際のマスタリングも、ホールトーンがたっぷりとした弦の響きも美しく、しかも私の20年以上前の当時のアナログ装置では聴きとれなかった、ディティールの深みまで聴こえてくる、たいへん良心的なもの。
ある意味で、ハンス・シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィルのべートヴェンの交響曲全集(恐らくこのシリーズの次の次の回に紹介)に通じる、
「演出臭さがない」
けれども
「凡庸だと、絶対こうはできない」、
曲そのものじっくり味わえる演奏の典型といえます。
******
私は、指揮者や演奏家の自己主張のかたまりの演奏も好きなのですが、
その一方で、いろんな解釈を聴いたあとで、
「この曲のこの部分はこういうふうに鳴って欲しい」
という期待をなぜか決して裏切らない、
「黄金の中庸」といいたくなる不思議な「標準原器」性
を感じさせてくれる指揮者や演奏家録音(たいてい70年代以前のもの)も敬愛しています。
*****
次回は、上記のCDと同時に発掘した、
「まさか『この』放送録音がCD化されたとは!!」
という奴を紹介。
今度のは、普遍性もオーソドックスもくそ食らえ的なタイプのもので、私が高校時代に
オープンリールテープデッキで
「エアチェック」(若い人にはわからない用語か? )したものを、
実に繰り返し堪能していたものの、まさかのCD化です。
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