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2006/04/09

音空間のAmbienceは普通の2チャンネルステレオ機器「だけ」で体験できる!![第3版]

今回は、私が書く、初の「ピュア・オーディオ」(モバイル・オーディオではなく)についての記事となるかと思います。

そして、これから書くことは、前回まで、「ホールボディフォーカシング」やバリントについて書いたことの延長でも「実は」あります。

******

ヘッドプォン・ステレオで聴く音楽というのは。実は「音場空間」という点では、本質的に歪んだ音の世界です。

理由はいたって単純です。

ヘッドフォンの2つのスピーカーは、耳に直接かぶせたり差し込んだりする形で、しかも「向かい合わせに」音源を配置してあるわけですね。つまり、


左スピーカ→左耳→脳←右耳←右スピーカ


現実の音の空間はと言えば、一番シンプルな2チャンネル録音を設定すれば


     音   源


         
左マイク ↑     ↑ 右マイク 

      

まあ、こんな感じでしょう。


右マイクと左マイクの間の距離は、オーディオで左右のスピーカーを配置する距離と同じ、マイクと音源の距離もスピーカと聴く人の距離と同じ。

再生のスピーカーも、2つのスピーカーの傾きとマイクの傾きも一致している必要がある。

     左スピーカー 右スピーカー
       ↓       ↓


         リスナー

室内の大きさや反射音や吸音やスピーカーそのものの形状のことは、この際話がめんどくさくなるので無視するとして、

これで、2チャンネル収録のスピーカー再生なら、スピーカーの間だけではない形での音の広がりで、しかも部屋の実際の空間のサイズすら無関係に、あたかも「空間そのものが」音を出してるように、音の「前後の」定位すら含めて音が感じられるはず,,,,, ということになります。

忘れてはならないのは、

1.この場合、右チャンネルの音を右耳で拾い、左チャンネルの音を左で拾ってるだけではなくて右チャンネルの音も左耳で拾い、左チャンネルの音も右耳で拾っているということ

2.ある楽器の音が「右寄りから」聴こえるということは、単に右チャンネルの音が左チャンエルネルより「大きい」ということではなくて、むしろ両チャンネル間の音の位相成分(正相か逆相か)の配合で決まっているということ。それが、ステレオ再生におけるambience(アンビエンス。周りを取り巻く「環境」「雰囲気」)を「自然と」形成します

「だから」、論理的には、「3次元的な」バーチャルリアリティ的な音響空間は、真横や後ろ寄りからの音すら、正面2つのスピーカーのステレオ再生だけで、何のサラウンド装置や回路の介入がなくても「再現」できる!!

もし、あなたのステレオ装置が、右スピーカーより更にかなり右側、左スピーカより更に左側から音が鳴っているような体験を「サラウンドなしで」したことがないなら、本来の「ステレオ再生」のを聴いたことがないということです。

それは、多くの場合、ソフトの録音そのものの限界のためでもありますが、装置の使いこなしで、ボピュラーでも、クラッシックでも。良心的に録音された音楽ソフトなら、かなりの程度体験できますよ(^^)

それは、ステレオの音場が、先ほど述べたように、単に右から出た音は右よりから出るというのではなくて「位相」というものを持っているからです。

モノラルマイクで収録した個々の楽器の音をミキサーで右から左に順に並べる「マルチチャンネル」収録だけでは「ステレオ録音」ではありません!!

(それにしても、ここで解説されている「アンビエンス」の定義なんて、実は日本のオーディオの現状を見事に象徴する、.....な「定義」です。)

****

昔一時期流行った、人間の頭のダミーのしかも耳たぶの所にスピーカーを配置する「バイノーラル録音」ではなくて、「ステレオ録音」である限り、実はヘッドフォンのよって頭の中に形成される音の広がりはひどく空間が「歪んだ」ものになっているはずということになります。

(厳密には胴体部分すらダミーが人間の身体と同じ吸音特性を持ち、人体と同じだけの「骨電動」も頭部のマイクに伝えられないとならないことになる)。

音は頭の後側寄りに広がり、舞台中央のソロ(楽器)は、後頭部のあたりに定位されているのに、長年の習慣で「ボーカルは前!!」というふうに補正することをヘッドフォンを使い慣れた文化の人間は「習慣的に」できるようになっているだけです。

****

現実には、ミキサーやデジタルアンビエンスコントローラーによる調整によって、(ヘッドプォンで聴こうがラジカセで聴こうが、そこそこのコンポーネントオーディオで聴こうが、AMラジオで聴こうが、どんな再生装置でも「無難に」それっぽく響くように果てしのない細工をして、いよいよノイズやひずみだらけの音にする危険を犯して、たいていの音楽ソフトは供給されているわけですね。

ただ、この「危険を冒す芸当」のセンスが、日本と欧米の音響スタッフの間に、まだまだ凄い開きがある。

浜崎あゆみも■送料120円■浜崎あゆみ CD+DVD【Startin’/Born To Be...】 06/3/8この前のマキシアルバムからやっとアメリカ録音に切り替えましたが、日本の音響機器とそれを操る人の感性の多くの現状からみたら、「やっと英断したか!!」ともいいたくなります。

何かこのマキシから音が「ノーブルな品格」出始めたと感じる人も少なくないはず。でも、"Born to be..."はともかく、"startin'"にはまだまだ改善の余地あるぞーーーー!!


*****


「♪更に言うとすれば〜」、

ほんとうにいいステレオ再生ができていたら、個々の楽器の「音像」の輪郭線(特に高域端)がきこえることはないでしょう。個々の楽器は空間全体とシームレスな響きにとけ込んだものになるはずです。

目を閉じて実際のオーケストラ音楽を聴いた方、かなり前の正面の席でも、目を閉じて、どこにどの楽器があるかなんて実はほとんどわからないのが「あたりまえ」ということをご存知でしょう。空間と個々の楽器や奏者は一続きにつながっている「綾」のようなものです。

そして、スピーカーの間隔の間どころか、実際の部屋の天井や壁のサイズすら無視して、自分の目の前(というより、ほとんど身体を包み込むように)別な「異空間」が、ただならぬ広がりで広がっているのと、視覚的な現実の部屋の光景やサイズが全く一致しないことに戸惑うかもしれません。

トランペットのソロやテノール歌手の声は例外的にそれがはっきりしている場合がありますが、それは彼らの響きがで一番共振する周波数成分が、人間の耳の音の「方向性」を感知する帯域と一致しているせいなんですね。

往年の名歌手、【音楽CD】オ・ソレ・ミオ、ビー・マイ・ラヴ〜デル・モナコ・ソング・アルバムマリオ・デル・モナコが「黄金のトランペット」と渾名されたのは(もちろん彼の生なんて知りません)当然かもしれません、オペラでタイトルロールを張る名テノールには、そういう、自分の声だけで、他のすべての音響や豪華な舞台装置の存在を忘れさせ、「彼の」ambience音響空間の背景に過ぎなくさせてしまう魔力がありますのね。

******

ちなみに、センターのソロ楽器や歌手の声が、スピーカの単に中央あたりだけに広がるだけではなく、なぜか更に1メートル以上「上空」あたりに定位し、まるでステージの「かぶりつき」で歌手を見上げながら聴いているかのような錯覚に陥り、音の「上下の」空間的広がりすらある程度感じられるのが、正しいセッティングができた場合の特徴で、

これを俗に、

「音が立つ」

というそうです。

もし、あなたが、たとえば60年代頃録音のバイオリン協奏曲の録音を聴いて、オーケストラ全体よりも左右に幅が遥かに巨大なサイズのバイオリン(恐らく全長30メートル以上!!!)が、しかもオーケストラより「上空」で音を奏でているかのようにきこえることの「滑稽さ」にふと気がつき、爆笑してしまったことがあるなら、あなたは自分の感性にきわめて素直ですし、あなたの装置や装置の使いこなしは、値段に関係なく極めて「ナチュラル」な、本来の「ステレオ再生」ができています。

60年代頃の大抵のステレオ装置って、今でいう「セパレート型」ではなくて、スピーカー一体型が普通で、2つのスピーカーが数十センチも離れていない前提でミキシングかけてましたから、今風のスピーカー配置にしたら、こういう極端な音場空間になって響いて当然なんですね。

ビートルズのステレオ録音の成熟過程なんて凄いですよね。ステレオ録音になってからの初期アルバム日本盤CD RUBBER SOUL("RUBBER SOUL")は、ヴォーカルと楽器群が完全に別々に右と左のチャンネルに「振分けられて」聴こえる曲もあったりして

(でも実はちゃんとアンビエンス的音空間が聴き取れます。ただの「マルチモノ」の振分けではこう聴こえないはず。1曲1曲にふさわしいステレオ効果を必死で模索していたのがわかります。でもそれが「一曲ごとに」全然別々の形でのふさわしさを模索しているので、今の若い人がはじめて聴いたらたまげるでしょうね。どうも、曲によって楽器編成やヴォーカリストが変わるのに、楽器を演奏しながらのメンバーのヴォーカルの定位を、スピーカーの間の間隔がせいぜい数十センチの状態での、非常な近接試聴を前提に一致させたかったのではないかと思えます)

昔の日本のたいていの演奏会場(多目的ホール!!)で、バイオリンソロの音がほとんど全く「きこえない」体験をなさった記憶がある方は少なくないでしょう。そりゃ、伴奏しているオケにバイオリンをはじめとする弦楽器がいったい何十台あるかを考えてみるだけでもわかります。まして昔の日本のたいていのホールは、響きがデットで、汚い乱反射の塊で、音を観客席へと包み込むように「押し出す」ような、オーケストラを鳴らす「楽器」としてのホール設計なされていませんでしたから。

教会や宮殿にはじまり、オペラ劇場のに引き継がれる響きの中で自然と形成された伝統がなかったのだから、しかたないのですが。

*****

ライブの場合、今のポピュラー系の歌手はマイクという拡声器に依存できるわけですが、耳をつんざくエレクトリック楽器やシンセの中ですら、まずはその歌手の声の存在感が圧倒するオーラを持ちうる人がどれだけいるのか。比較健闘したことないから。ここで言葉を止めますが。

*****

というわけで、引き続いて、ついに、私の現在のピュア・オーディオシステムと、それとiPodをいかに繋ぐかをご紹介します

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