« 風邪ひきの喫煙者にはつらい季節です。そこで...... | トップページ | 「わらしべ長者」と「下克上」の時代 »

2005/12/05

あの日にかえりたい 〜果たして、ユーミンは「明るく」て、みゆきは「クラい」のか(ひょっとしたら「その1」)〜

どっちかというとみゆき党で、ユーミンの方は「荒井」時代をほとんど知らず、いきなり、
"REINCARNATION"
icon"VOYAGER"
icon"NO SIDE"
iconとアルバム3枚を学生時代にリアルタイムで買って、その後も詳しくは知らないという私なんです。

この3枚、プラス、荒井由実(松任谷由実)/TWINS 〜SUPER BEST OF YUMI ARAI【「卒業写真」収録】「荒井」時代のシングル全集荒井由実 - ユーミン・ブランドを繰り返し聴くうちに、

「みゆきはクラくて、ユーミンは明るい」

という、ありがちなイメージに何か凄い違和感が出てきました。

このことについては、時を置いて何回かいろんな観点から書きたくなる気もするし、"My Favorite Disk"の方でもこれから書くかもしれないけど、とりあえず書いてみたいことを、まずはユーミンの方から書いてみます。

******

まず、超有名どころでいえば「中央フリーウェイ」荒井由実 - 14番目の月 - 中央フリーウェイ

この歌、「調布基地」から、恐らく遠く見積もっても八王子インターまでという、ひどく短い距離しか情景描写されていないことをどのくらいの人が意識しているだろうか?

八王子といえば、学生時代のユーミンが住んでいた土地である。つまり、どこまでも「彼氏に家まで送ってもらっている」歌なのだ。

そして2番の歌詞になると、唐突に、

> この頃は ちょっと冷たいね 送りもせずに

となる。1番の歌詞とさりげなく「時制がすり替えられている」のだ。

つまり、曲が終わってみれば、「中央フリーウェイ」で彼とドライブしたのは、すでに「過去完了」の「思い出」の歌」というふうになってしまっている!!

*****

次に。私が個人的に、シンコペーションが効いたリズムに乗ったメロディラインが大好きな「川景色」("REINCARNATION"収録)を取り上げよう。

●『川景色 』 松任谷由実(1983)

まるで、この時のことがすべて過ぎ去ってから振り返っていることであるかのようにも誤解させる「現在形」と「過去形」の微妙な混用。

> 恋が消えてしまったら この景色も消えるから

まるで、「どうせこの恋も終わる」とすでに決めてかかり、だから「今の」この瞬間を楽しんでいる、ということを「自覚して」しまっている

これじゃ心の底では不安を実感してしまっていていて、「今」に刹那的に浸りきれない「脱同一化(disidentification)」された「もう一人の自分」の醒めたまなざしが絶えずそこにあるということではないか。

> 流れが音を立てて 足元を危うくする

などというあたりも、この恋そのものの危うさ、儚さの詩的隠喩といえるだろう。

もし、こうした次元での「詞の深み」に、むしろ「大人の女」(人によっては逆に「大人になりきれないモラトリアム少女」などと言い出すかもしれないが)を感じて、自分の恋愛体験と重ねて、深く共感して、ユーミンを愛している層がかなりいるのだとすれば????

もしそうだとすれば、男たちは、結構鋭い刃物を陰で突きつけられながら「にこにこ笑っている」ユーミン好きの彼女の外面にだまされている、「懲りないやつら」と言えるかもしれない

***

以前、「天気雨」荒井由実 - 14番目の月 - 天気雨について紹介した時の、鉄ちゃんならではの分析該当ページの終わりの方を参照してほしい。

いずれにしても、この歌、茅ヶ崎で彼とはじめて合流する「おしかけデート」の歌であり、「クールな彼」に気持ちがほんとは通じていないのを「顔で笑って心で泣いている」=「天気雨」の歌なのである。

****

このように見てくると、

「決してこの恋は報われない」

という強迫観念に近いものが「荒井」由美時代の「後期」から実は執拗に繰り返し歌われていることに気がつく。

そのもっともストレートな表現の曲が、ユーミンの不滅の代表曲である、

「あの日にかえりたい」荒井由実 - ユーミン・ブランド - あの日にかえりたい

であり、

> 次の夜からは欠ける満月より 
> 14番目の月が一番好き

と歌い上げる「14番目の月」荒井由実 - 14番目の月 - 14番目の月であり、

そして、松任谷プロヂューサーとの結婚を機に、「荒井由美」卒業、引退も考えていたという、「ひょっとしたら最後の曲になるかも」

という深い思いの中で作られた

「翳りゆく部屋」荒井由実 - ユーミン・ブランド - 翳りゆく部屋

で、なぜか

> 輝きは戻らない
> 私が今死んでも

という、荘厳なまでの超傑作の「別れの歌」となってしまっている、ということにもつながるのである。

ユーミンにとって、結婚という「満月」に達することそのものは、それまでの自分全体の「死」の危険を犯すことでもあったのだろう。

幸い、ユーミンの真の円熟期は、そのもう少し後の「松任谷」時代にあらわれた、最初に述べた3枚という気が私はするのだが。

参考記事: ●"Ladies Night"vs."ガールフレンズ” ●ユーミンのデニーズ伝説

blogram投票ボタン
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ
ビジネスブログランキング
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセリングへ
にほんブログ村 音楽ブログ 女性ミュージシャン応援へ

« 風邪ひきの喫煙者にはつらい季節です。そこで...... | トップページ | 「わらしべ長者」と「下克上」の時代 »

J-POP」カテゴリの記事

おすすめ商品」カテゴリの記事

カウンセラーへのメッセージ」カテゴリの記事

スピリチュアリティ」カテゴリの記事

トランスパーソナル」カテゴリの記事

ポピュラー音楽」カテゴリの記事

中島みゆき」カテゴリの記事

人生」カテゴリの記事

人生観」カテゴリの記事

八王子」カテゴリの記事

大船」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

心理学」カテゴリの記事

恋愛」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

日本語」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

東京」カテゴリの記事

松任谷由実」カテゴリの記事

横浜」カテゴリの記事

歌謡曲」カテゴリの記事

生と死」カテゴリの記事

社会現象」カテゴリの記事

芸能・アイドル」カテゴリの記事

若者心理」カテゴリの記事

趣味」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70854/7477990

この記事へのトラックバック一覧です: あの日にかえりたい 〜果たして、ユーミンは「明るく」て、みゆきは「クラい」のか(ひょっとしたら「その1」)〜:

« 風邪ひきの喫煙者にはつらい季節です。そこで...... | トップページ | 「わらしべ長者」と「下克上」の時代 »

コメント・トラックバックについて

  • このブログのコメントやトラックは、スパム防止および個人情報保護の観点から認証制をとらせていただいております。これらの認証基準はかなり緩やかなものにしています。自分のブログの記事とどこかで関係あるとお感じでしたら、どうかお気軽にトラックバックください。ただし、単にアフリエイトリンク(成人向けサイトへのリンクがあると無条件で非承認)ばかりが目立つRSSリンク集のようなサイトの場合、そのポリシーにかなりの独自性が認められない場合にはお断りすることが多いことを、どうかご容赦ください。

最近のコメント

はてなブックマーク


最近のトラックバック

last.fm


フォーカシングの本1

フォーカシングの本2

フォト
2012年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

banner

  • 携帯アクセス解析
  • Google Sitemaps用XML自動生成ツール
  • Firefox3 Meter
  • ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログパーツたち

  • track feed カウンセラーこういちろうの雑記帳
  • アクセス状況
    アクセス解析

カテゴリー