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2005/07/18

プロ・カウンセラーの6つの条件

> 誰が悪いのかを言い当てて
> どうすればいいかを書き立てて
> 評論家やカウンセラーが米を買う

> 迷える子羊は彼らほど
> 賢いものはいないと思う
> 後をついてさえ行けば何とかなると思う

> 見えることとそれができることは
> 別物だよと 米を買う


これは、【J-POP/歌謡曲:な】中島みゆき / 寒水魚 (CD)中島みゆきの「寒水魚」というアルバムに入っている「時刻表」という歌の歌詞の一部です。今から20年以上も前の、年間売り上げ1位の大ヒットアルバムの中に収録されている曲なのですが。

カウンセラーという職業をして、しかもこうして「開業」という形で、主なる収入をカウンセリングそのものに依存して、まさに「米を買う」ことになる種族にとっては、まことに耳の痛い歌詞なんですが。

ただ、今も大のみゆきファンの私も、この「時刻表」の歌詞については、

「みゆきさん、まだ若かったね。

世間の人に『カウンセラー』って人種がそう映るのはわかるし、

結構そんな『評論家』気取りの、
社会や家族や人の心の「分析」だけをして、
実際には何の解決にも結びつかない助言をするだけで、
繰り返しお金を払って相談に来た皆さんを
最終的には失望して去らせてしまうような、
役立たずのくせして、
ええかっこしいの、
詐欺師すれすれの『カウンセラー』も
今もいるのはわかるけどさ。

自分が今もそういうカウンセラーになっていないかの

『自戒の言葉』として、
みゆきさんのこの唄、
すごく大事にさせてもらっているけどね」

と言ってあげたくなってしまいます。

*****

カウンセラーが、相談に訪れる皆様の話さえ聴けば「どうすればいいか」が「見える」、そして皆様がカウンセラーのアドバイスの「後についてさえ行けば、何とかなる」ような、悩みを解決「できる」対策をお伝えできるような存在かというと、何か違うなあと私は感じます。


*****


実は、たいていの場合、私たちカウンセラーよりも、相談に来られる皆様の方が、実は人生経験が「豊富」なのではないかと私は感じています。

私が体験したこともないような生い立ちを経て、
私が体験したことがないような家族関係、人間関係の中に置かれてきて、
私より壮絶に傷つくような恋愛を繰り返して、
私が学んだこともないような勉強をして、
私が体験したことがないような社会経験をして、
私がやれと言われたら、

「この役立たず!!」

と上司や同僚から叱り飛ばされそうなバイトやお仕事をなさっている。

私は、そういう皆さんのお話を、

心から

「すごいなあ」
「とても私なら耐えられないなあ」

と、ある意味で「感心」したり、

「ひえー、たまらん!!」

とビビったりしながら、

やっとのことで聞き続けることが精一杯なんです。


極論すれば、

「自分より人生経験が『豊富』な皆さんのお話を、聞き続けることから『逃げないでいられる』プロフェショナル」

が、『カウンセラー』という「専門家」の、最低限の第1条件なんだと感じています。


******


そして、

そういう、皆さんからのお話を、何十人、何百人もの方から繰り返しうかがううちに、

カウンセラー自身はそういう人生経験を「他人(ひと)様」から伺うという「人生経験」としてしか重ねていないのに、
まるでそうした皆さんすべての人生経験をまるで「自分が」してきたかのような「錯覚」に陥り、

「人間と人生のことなら何でも知っている」

という

『思い込み』と『傲慢』に陥る、

<悪魔の誘惑>

に負けないこと、


これがプロのカウンセラーであることの第2の条件です。


****


次に、例えば、

「彼氏に裏切られて、別の彼女がいて、傷ついている」

という相談をしてきた人がいるとしますよね。

でも、

その女性がどんな人で、
どんな人生経験を重ねてきたかとか、
彼氏がどんな人かとか、
どんな裏切られ方をしたのかとか、

みんな個々のケースで違いがあると思うんです。

まして、そこで「あなた」が感じている、

「傷つき」

ととりあえず名前をつけた、
心と身体の止まらない「痛み」の

「質」と「感触」

は、

「別の人が」彼氏に裏切られた時の

「傷つき」

同じ「感じ」であるかどうかわからない。


更に言えば、

ある人が感じている「傷つき」の「感覚」そのものを、
まるで携帯の写メールで写真を交換するみたいに、
他の人に伝えることはできない。

いったい他の人の心の痛みが「わかる」って、何なんでしょう?

「わかった」つもりになった時、
それは話を聞く側が、
勝手に自分なりに想像した

「思い込み」

としての「痛みへの『共感』」でないと、

誰が言えるでしょう?


またもやみゆきですが、

> 君の心がわかると たやすく言える男に
> なぜ女はついていくのだろう そして泣くのだろう

Singles 2000(『空と君のあいだに』)

ここでいう

「男」「カウンセラー」に、

「女」「相談に来られる皆様」

置き換えて、

これまた、私の自戒の為の『座右の銘』にしているんですけど。


つまり、

「あなたの気持ち、わかります」と安易に言わない能力

そして「その方にとって」、それはどんな気持ちなのかを、
ひょっとしたら辿り着けないかもしれないゴールをめざして、
どこまでも「虚心に」、
安易に「以前お会いした方たちのお話」と重ねて「型にはめて類型化」することなく、
新鮮な形で
聴き続ける能力、

これが、プロカウンセラーの第3、第4の条件です。


*****


そのこととつながるのですが、

相談に来られた人の話を何回も聴いていくうちに、

「まさかこの人にこれだけのことができるとは」

とか、

「まさかこの人にこれだけのことが言えるとは」

と感心させられるばかりか、カウンセラーである私が思わず

「私、いつの間にかこの人のことを『みくびって』いたな。申し訳なかったな」

と感じさせられるような瞬間が全然出てこないカウンセリングって、成果があがっていないことが多い、というのが私の経験から言えることです。

つまり、

「相談に来た人から、
カウンセラーの方が、思わず『恥じ入りたく』なるようなことを話してもらえること。
 そして『恥じ入っている』自分を認めることができること」

が、(変な言い方ですが)、プロのカウンセラーの5番目の条件です。

****


最後に、「第6の条件」ですが。


「先生のおかげで助かりました、ありがとうございました」

と面接が終わって何年たっても感謝されたり、

「先生にあこがれて、私もカウンセラーを目指すことにしました

と言われることがあまりに多いようなら、そのカウンセラーは「失格」だと私は思っています。

いつの間にか、忘れ去られるくらいがちょうどいいんですよ。


今度は突如ユーミン(松任谷由美)ですが、


> 感謝して別れるのは 小説だけ

(「ハートブレイク」 VOYAGERアルバム"VOYAGER"より)

*******


このように、

「プロとしてのカウンセラー」の「理想」を思い描いている私

(「理想」ですから、ちょちゅう私もこれらの条件を逸脱する自分に情けなくなります)

でよろしければ、

どうか私が、

「米を買う」

ためのお金を払っていただけないでしょうか(^^)

*******

以上、まもなく、私のカウンセリングルーム、「湘南フォーカシング・カウンセリングルーム」のWebSiteの冒頭に掲げることにした、

「私のカウンセリング観」のエッセンス、

別名、

"7.11 Asega Doctrine"

です。

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コメント

えーっと、阿世賀さんが、フォーカシング・ネットの管理者ではなく、Xさんに移ったことは存じていますが、何度、メルアド変更のメールをしても梨の礫なのですが、もう阿世賀さんみに聞くのも筋違いと了解していますが、メルアド変更手続きの仕方って教えて貰えますか?

投稿: O | 2005/12/29 22:46

私、「まだ」フォーカシングネットの「暫定」管理者です(^^;)。なぜかこの点は誤解される人が多いようで(「今期をもって引退させてくれ」と、2005年11月の小樽での総会で宣言しましたが、その段階でXさん(私の「個人ブログ」であるここで彼の名前を出すコメントを彼の承諾のないまま掲載するのはとんなものかと思いましたので、Oさんの名前、メールアドレス削除と共に修正させて頂き。Oさんについては既に手続きをおとりしました)が引き継ぐという話までは、私が知る限り一言も出ていません。Xさん自身も「とてもそこまではできない」と言われていたと記憶します。

「少なくとも次期(2006年10月以降)までに適切な人選をこちらでも考えたいし、皆様にも人選お願いしたい。毎日投稿されたメールにすべて目を通すぐらいのことができる人でないと困るし、心理臨床的な的確な判断力と「危機介入」能力が必要なポストなので、慎重に選んで欲しい」とまでは総会でもお願いしましたが。

Xさんは従来の「グループリーダー」、「コアメンバーリスト」および協会公式HPの管理者を私から「1年前に」引き継いでいます。

(ほんとはここは「協会とは無関係」の個人ブログですし、個人メールで頂いた方がいいことなんですけど、このページは日本フォーカシング協会の「メンバー」の方も数多くおいでになるので、この際ここで公言します。

ですから、私の個人アドレスに送って頂ければ、私がメールアドレス変更は対応します。Xさんにも私がいざという場合のためにパスワードはお伝えしてありますが、かなりお忙しく、私ほどは頻繁にメールに目をお通しになれない状況にあるようです。

投稿: こういちろう | 2005/12/29 23:11

早い対応ありがとうございます。それと個人ブログで、おっしゃる通りです。

投稿: o | 2005/12/30 14:39

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